庭の雑草対策を検討中していた時に「庭に屋根のついたスペースがほしい」ということで外構の見積もりしてもらいました。
庭の形がいびつなため、理想の面積に屋根をつけると特殊な仕様になるそうです。
そのため、お値段も高くなる。
ということで、自分でつくってみることにしました。
といっても、時間がないため今回は基礎だけ施工します。
基礎に使う束石ってなに?
基礎に選んだのは「羽子板付束石(つかいし)」です。
束石とは・・・床束(床を支える柱)などの下に据える石のことです。
床束(地面にたてる柱)は木のため湿気に弱く、地面の水分を吸収してしまうと腐る可能性があります。
また、設置面が小さく地面に沈み込んでしまうリスクがあるのです。
これらの問題を解決してくれるのが束石なのです。
我が家の庭は、水はけが悪い。
そこで、束石で地面から100㎜ほど高くすることにしました。
束石の種類
羽子板付束石・・・支柱をビス固定できる「羽子板」といわれる金具が付いている束石。
穴あきの束石・・・柱を穴にはめて固定できる。ただ、水が溜まりやすく、柱の腐食につながるリスクがある。水抜き穴が開いたものもある。
ピンコロ・・・コンクリートでできた四角いブロック。束石より小さめの基礎石。柱の上からの重さによって固定力を得ることになる。
コンクリートブロック・・・多目的に使われるコンクリートブロックも束石として利用可能。ブロックの穴にモルタルを入れると強度がます。
コンクリート平板・・・ピンコロより厚みが薄くサイズが大きめのコンクリートブロック。重量のあるウッドデッキなどには使用しない。設置面が広く、柔らかい地盤にも沈みにくい。
2×4用束石・・・名前の通り2×4材をくぼみにはめることができます。
今回使用したのは、羽子板付束石です。
選んだ理由は、柱の固定が簡単だと思ったから。
パーゴラの柱をたてるのに最適です。
束石の施工
プロがみたら「ちが~う」というかもしれません。
「こんな感じでも、束石を設置できたよ」という参考にしていただけたらと思います。
使用したのは羽子板付束石を6個。
それでは、束石の設置スタートです。
施工手順
手順1 束石に柱の形を罫書く
束石の柱設置面に柱の寸法を罫書きます。
形を罫書くことで柱の位置が見えるようになるため、位置決め・束石間の寸法を測りやすくなる。
手順2 束石の設置場所を決める
設計したパーゴラにあわせ、柱を立てる位置に束石を仮置きします。
メジャーで大体の寸法を測り、地面に印をつけます。
手順3 家の基礎から水糸をはる
水糸とは
- つくる物の、真っ直ぐ・高さを合わせるための基準となる糸。水平を知るために使われる。
- 水糸を使用することで、本来なら見えない線を可視化できる。
水糸は簡単に。家の基礎から寸法を測り一本だけ張りました。
束石のセンターから300mm程度外側に杭を打ち込み、完成時の束石の高さが分かるように糸を張っただけです。
手順4 穴を掘る(①の束石)
水糸を張った家側から穴を掘っていきます。
束石より大きめに掘ります。
穴の深さは、完成後に束石が地表から100mmでるぐらいにしました。
砂利50mm、モルタル20~30mmを敷く計算で掘ります。
上図のように穴の中に束石を置き、水糸まで80mmになるように調整。
穴を掘り終わると底面を、束石を使い転圧します。(束石は重いので腰痛に注意)
転圧後は束石を置いて、水平器で水平を確認。さしがねで水糸までの高さを確認。
微調整は、土をいれたり、削ったりして転圧しました。(多少の誤差は気にしない。破石とモルタルで修正可能)
手順5 破石を敷く
破石を穴の底に敷きます。
束石で転圧しながら平行を確認し、50mm程度の破石を敷きました。
束石を置き、水糸まで20~30㎜に調整。
手順6 ②③も穴を掘る
家側の②③を①と同じように、穴を掘り砂利を敷きます。
手順7 モルタルで固定する
ホームセンターで、ドライモルタルを購入。
ドライモルタルは、水を入れて混ぜるだけなので簡単です。
モルタルがたくさん必要な場合は、セメントと砂を購入し「セメント1:砂3」の割合で混ぜた方が安いです。
①の束石から位置決めしていきます。
小さなバケツで、少しずつ水を混ぜて調整します。
練りあがったら砂利の上に流し込みます。
モルタルの上に束石を置き、水糸で高さ。差し金で基礎からの寸法。水平器で水平をみながら位置を決めます。
①の束石が完了したら②③を位置決めしていきます。
①と②、②と③の束石の確認事項
- ・メジャー(巻尺・コンベックス)で束石間の寸法
- ・差し金で家の基礎からの寸法
- ・2×4材と水平器で束石①②③の水平
水糸を張ったのですが、初めてなので水平器でも確認しました。
手順8 家の基礎から直角に水糸を張る
まずは、水糸をはります。
直角の確認用に、木材を使って巨大な直角定規を作りました。
基礎部分に定規をあて、束石①②③より直角に水糸を張ります。
水糸の水平は、水平器を水糸に当ててだします・・・と思ったのですが。
水糸に水平器を当てると、すぐに動いて難しい。
あくまで高さは目安、直角を重視することにしました。
手順9 ④⑤⑥の束石を設置する
水糸で高さを確認しながら、④⑤⑥の束石の穴を掘り転圧し、破石を敷きます。手順4,5と同じ。
次にモルタルで固定していきます。
水糸で直角。木材と水平器で水平。メジャーで距離。
対角線の距離も測ります。
対角線:√(縦²+横²)=対角線²
- 例:縦3m、横4mの場合
- 3×3=9→4×4=16→9+16=25→ルート25=5m
手順10 束石を固定する
束石の位置が決まったら、ドライモルタルを束石のまわりに入れます。
地表面より高くならないようにいれ、水をかけて固めます。
手順11 時間をおいて穴を埋める
モルタルが乾くのを待ってから、穴に土をもどし平らにならします。
モルタルの乾燥
- 気温や湿度にもよりますが、24時間程度かかる。
パーゴラ用の基礎|束石の設置|まとめ
束石の設置が完了しました。
手順に問題があったかもしれませんが、予定していた位置へ設置できました。
すぐにパーゴラもつくれたら良いのですが、少し先になりそうです。
束石の設置は、結構な重労働となります。
腰痛に注意しながら作業しましょう。
本格的な設置方法とは違うかもしれませんが、位置も水平もピシッと出すことができました。
モルタルで固定したので強度も十分です。
恐れることなくチャレンジすればなんとかなります。
庭の束石設置DIYの参考にしていただけたら幸いです。