我が家の『裏庭の外溝チャレンジ 第一弾』
雨が降ると、じゃぶじゃぶの水たまりができる庭を改善します。
- 水捌けが悪く、雨水がたまる
- 日当たりが悪く、ジメジメしたエリアにコケが生える
- 日向に力強くはえる雑草(毎年、増加傾向にある)
「いつでも遊びにおいでよ!」とは言えない無法地帯です。
こんな姿を見られるのが恥ずかしい。
そして、こんな言葉をかけられました。
毎年思うんだけど、夏場は草抜き大変だからなんとかして。
業者に頼む?
この魔法の言葉で「なんとかしなければ」と動き始めることになりました。
快適な裏庭作りのスタートです。
外構の見積もり依頼
すぐに始めたのが、外溝見積もりです。
近場の外構屋さん3社と、ネットで1社の計4社に見積もりを依頼しました。
見積もり依頼時の、ざっくりしたプラン
- 水捌けを改良(雨水ますの設置)
- 物置を移動して、土台をコンクリート
- 雑草対策
- 屋根が欲しい
モヤっとしたイメージの中で、外構見積もりをお願いしました。
庭が変な形のため「業者側からナイスなアイデアを提案してくれないかな」という期待もありました。
4社の見積もり額の結果は・・・
40~50万円です!!
業者によって、多少の違いはありますが50万円近くの費用が掛かることが分かりました。
私の感覚がおかしいのかも知れませんが、ぼったくられてるとしか思えません。
どう考えても高いでしょ!?
見積もり明細の最高値の内容がこちらです。
工事名 | 数量 | 単位 | 金額(円) | |
1.倉庫 | 解体・移動 | 1 | 式 | 50,000 |
転倒防止など | 1 | 式 | 11,000 | |
すきとり・残土処分 | 5 | ㎡ | 12,500 | |
型枠・コンクリート打ち | 5 | ㎡ | 44,250 | |
2.人工芝 | 真砂土搬入・プレート掛け | 24 | ㎡ | 60,000 |
人工芝 | 2 | 本 | 27,000 | |
防草シート張り | 24 | ㎡ | 36,000 | |
人工芝張り | 24 | ㎡ | 84,000 | |
見切りLアングル | 2 | m | 6,000 | |
3.雨水ます | 雨水ます材料・設置費 | 1 | 式 | 50,000 |
4.シェード | シェード用柱 | 4 | 本 | 104,400 |
シェード | 1 | 式 | 4,950 | |
作業費用 | 1 | 式 | 23,000 | |
合計 | 513,100 |
正直なところ、「20〜30万円くらいかな〜」と思っていたのでビックリです。
倉庫を動かすのはお金がかかるな〜
倉庫を設置するときに、後々のことをしっかり考えとけばよかったな〜
と後悔しました。
見積もり依頼をしてわかったのは、業者側から大した提案はなく、自分たちのモヤっとした思いが金額になる感じでした。
見積もりを依頼した4社とも同じです。
- 見積もりを頼んでわかったこと
「職人が作業すると高い」です。
- 見積もりを頼んでよかったこと
「これなら自分でやるわ!」と、決意を固める事ができた。
- 外構見積もりの結論
自分達が考えたプランの施工金額がわかる。
「自分達が気づかないような庭の提案」をしてくれたら、工事依頼をしていたかもしれません。
残念ながら期待以下だったため「高っ」としか思いませんでした。
ということで、業者は諦めて、自分で庭づくりを始めることになりました。
庭に雨水マスを設置する〜プラン〜
我が家が、庭へ求めるものは「水はけ・雑草対策・屋根」です。
外構見積もり時に考えていた、倉庫の移動・土台をコンクリートにする事は諦めました。
作業時間が限られるため、倉庫は現状のままとします。
まずは、一番底(基礎)になる水はけから対策していくことにしました。
「水はけの悪さ」から起こる問題点
- コケが生える
- 大雨のたびに水没する
このことから、どんな雑草対策をしようがコケや、カビが生えると考えました。
雨水マスを設置して、雨が降っても水が溜まらない庭を目指します。
1.雨水マスの設置場所
まず考えたのが、雨水マスをどこに設置するかです。
外構見積もりの時に「雨水ますに向けて地面に傾斜をつける」と言われていたのを思い出し、ひらめきました。
今の地形をいかせば、わざわざ地面に傾斜をつける必要はない。
過去の豪雨から、雨水の流れ・水が溜まる場所はわかっているんだ。
という事で、設置場所はすぐに決まりました。
庭の角へ(赤丸部)向かって雨水が流れます。
この場所はブロックに囲まれているため水の逃げ場がありません。
雨が降れば降るほど、水が溜まります。
大雨の日には、水たまりが広範囲になり池のようになります。
2.排水パイプの経路
新しく雨水マスを設置する場合、雨水マスに溜まった水を排水する経路が必要になります。
そのため、既存の雨水マスと新しく設置する雨水マスをパイプでつなぐ作業が必要になるのです。
今回悩んだのは、排水パイプの経路です。
排水経路を考える
- 塩ビパイプはグネグネ曲がらない
- 継手の種類は、エルボ(90度・45度)、ストレート(0度)
当初は、倉庫の周りに排水パイプを通す方法を考えていました。(赤線)
線を引きながら考えましたが、経路が複雑すぎて継手のエルボ(90度、45度)で上手につなぐのは難しいと判断しました。
素人が、複雑な経路をパイプでつなぐのは至難の業です。
そこで考えたのが、倉庫の下にパイプを通して真っ直ぐ繋ぐ方法です。
距離を測ると4m程度。
塩ビパイプの長さ2mをストレートソケットで繋げば届きます。パイプのカットも必要なさそうです。
4mのパイプもあるのに何故2mのパイプを使うのかというと、車に乗らないからです。
ホームセンターが家から遠いので、トラックの貸出を利用して往復するよりパイプを繋いだ方が効率的と判断しました。
ということで、排水経路は倉庫下を通します。
雨水マスと配管の種類を知る
雨水マスを設置するためにホームセンターに買い物に行きました。
しか〜し、雨水マスもパイプも数種類ありどれを買えばいいのかわからない。
ということで、簡単に雨水マスとパイプについて勉強しましょう。
雨水マスと浸透マス
雨水マス
- 雨といなどから流入してくる雨水を受けるバケツのうなマス。
- 雨水を敷地外の雨水管や排水路へと流す
浸透マス
- マスの側面および底面にある浸透孔から、雨水を敷地内に排水し地中に染み込ませる
塩化ビニル管の種類
1. VP 硬質ポリ塩化ビニル管(厚肉管) 色:灰色(グレー)
お湯には使えない
用途
- 水道用 飲料用の規定がある JIS K6742 給水用・水道用
- 一般用 飲料用の規定がない JIS K6741 圧送用・排水用
2. HI-VP 耐衝撃性水道管 硬質ポリ塩化ビニル管 色:暗い灰青色(紺色)
水道用VP管に、耐衝撃性をプラスしたもの。粘り強く割れにくい。
用途
- 給水用・水道用 主に給水用・水道用の圧力配管に使用
- 圧送用 用途が違っても使用して問題はない
3. HT-VP 耐熱性 硬質ポリ塩化ビニル管 JIS K6776 色:茶色又は暗い赤色
塩素含有量を高くし、熱に弱い点を改良。
用途
- 給油用・温泉引湯用 給油用の圧力配管に使用
- 高温
- 排水用 食器洗い乾燥機や温水器などの排水
4. VU 排水用 硬質ポリ塩化ビニル管(薄肉管) 色:灰色
VP管の管圧を薄くしたパイプ 一般用VP管と材質は同じ
用途
- 排水に特化
- 自然流下用(無圧)
継手の種類
TS継手:圧力配管に使用する (VU管以外の厚肉管用 VP,HI-VP,HT-VPなど)
- 給水・水道・圧送・給湯用
- VP用、HI-VP用、HT-VP用がある
DV継手・VU継手:非圧力配管に使用する(圧力のかからない)
- 排水
DV継手:VP用、HT-VP用がある (VU管以外の厚肉管用 VP,HI-VP,HT-VPなど)
VU継手:VU専用(薄肉管用)
接着剤の種類
接着剤は、パイプと継手を接合する重要なアイテムです。
接着剤なら何でも良いわけではありません。
材料にあったボンドを使用しましょう。
接合材の役割
- 接合面を一体溶着させて漏れなくする
- 接着剤を塗ると膨潤層(材料の溶けたトロトロの層)ができ、潤滑となり奥まで挿入できる
塩ビパイプの接合に利用する接着剤には、パイプや継手の表面を溶かす溶剤が入っています。
パイプにあった接着剤を使わないと、想定どおり表面が溶けてくれないので接着不良となる可能性があります。
種類を間違えないように、接着剤の容器の色と、配管の色は似せてあります。
また、開封後は溶剤の気化などにより本来の機能を失ってしまう場合があるので注意が必要です。
接着剤を使用前に確認すること
- 接着剤の種類・使用期限
- 開封済みの場合、溶剤の匂いがあるか・ゼリー状になっていないか
接着剤はシンナー系の溶剤のニオイがあり、低粘度の液体です。筆に接着剤をつけて持ち上げると、筆から細く早くサラーっと流れ落ちます。
一般塩ビ管接着剤
- VP管やVU管などグレー(灰色)のパイプ用
- 青色や水色の缶が多く使われる
耐衝撃性塩ビ管接着剤
- HIVP管という濃い紺色のパイプ
- パイプと同じ紺色の缶が使われる
耐熱性塩ビ管接着剤
- HTVP管という赤茶色のパイプ
- パイプと同じ赤茶色の缶が使われる
庭に雨水マスを設置する〜部品調達〜
雨水マスの設置場所も決まり、配管を通す経路も決まりました。
ここまで決まれば、あとは工事をするだけです。
配管作業は初めてなので、失敗しないように、実物を見ながら購入します。
ホームセンターで、パイプと継手やパッキンの径を合わせたり・雨水マスの大きさや蓋のサイズ確認しました。
品名 | 値段(円) |
レジコン標準蓋 | 1,518 |
TSソケット | 250 |
VP 塩ビパイプ(2m×2本) | 2,816 |
溜めマス | 1,848 |
ます用シールパッキン(2個) | 346 |
塩ビパイプ用接着剤 | 418 |
合計 | 7,196 |
雨水マス設置にかかる部品代は7,196円でした。
塩ビパイプの用途は無圧の排水用でしたが、頑丈そうなVPパイプを購入しました。
雨水マスの部品だけだと安いのですが、工事をするにあたり必要になる道具も揃えなければいけません。
今回は倉庫下に配管経路を掘らなければならないので、スコップも購入しました。
購入した道具一覧はこちらです。
品名 | 金額(円) |
金象 配管職人 | 3,938 |
アルミ水平器 | 1,738 |
延長コード | 982 |
木工ホールソー | 558 |
合計 | 7,216 |
道具の購入が7,216円です。
部品と工具を合わせて、14,412円の購入になりました。
庭に雨水マスを設置する〜工事開始〜
雨水マスと排水パイプの穴を掘る
既存の雨水マスからメジャーで寸法を測り、新設する雨水マスの位置に目印をつけます。
雨水マス用の穴は、大きめに掘り進めました。
ここでアクシデント。
穴を掘っていると、スコップが何かに当たりました。スコップが刺さらない。
周りから掘りすすめると出てきたのは大きな石。
こんな石が2つも出てきました。
掘りすすめると取れたのでよかったのですが、取れない場合は雨水マスの設置場所を変えていたでしょう。
この大きな石は、深めに穴を掘って埋めることにしました。
石を穴の底に入れ、土をかけ、水をまいて隙間を埋める。
これを繰り返し、踏み固めます。
しっかりとした土台の完成です。
雨水マスの穴が完成したので、既存の雨水マスまで排水パイプ用の溝をまっすぐ掘りすすめます。
排水パイプに傾斜をつけるため、新しく設置する雨水マス側を浅くします。
スコップだけでは難しかったので、三角ホーを使い開通させました。
倉庫の土台(ブロック)が崩れるのが怖いので、間を狙い掘り進めました。
パイプの接合
穴掘りが完了したので、排水用のパイプをつなぎます。
パイプを継手の奥まで差し込むには、前段取りとしてパイプの面取りなどが必要です。
パイプを接合する手順
手順1.パイプの加工
パイプを必要な寸法に切断します。
- 寸法を測り、パイプへ必要な寸法をマーキング
- まっすぐ切断するために、テープを利用してパイプ全周に切断線を記入
- 直角に切断する ノコギリ・グラインダー・丸ノコなどで切断
手順2.パイプの面取り
パイプを継手に挿入するとき、パイプの角部によって膨潤層が削られ、めくれた材料が継手の奥で固まり幕張り現象が起こることがある。
簡単にいうと、接着不良で水漏れの原因になるということです。
パイプの呼び径により面取り代が変わります。
呼び径 | 30以下 | 40〜65 | 75〜150 | 200以上 |
面取り代 | 1 | 2 | 5 | 10 |
手順3.管差し込み標線
管差し込み標線:接合の可否を確認できる線
- パイプの全集に書いておくとわかりやすい
- パイプの種類やサイズによって寸法が変わる
管差し込み標線は、呼び径が40までは所定の寸法です。下記標の受け口長さ(赤色)で線を引きましょう。
呼び径が50以上は、ゼロポイント長さ+接着代長さ(受け口長さの約1/3)で標線を引きます。
接着代長さ(HIーVP)
呼び径 | 受口長さ ℓ | 1/3ℓ |
13 | 26 | – |
16 | 30 | – |
20 | 35 | – |
25 | 40 | – |
30 | 44 | – |
40 | 55 | – |
50 | (63) | 21+ゼロポイント値 |
65 | (61) | 20+ゼロポイント値 |
※ゼロポイント=接着剤を塗布せずに継手受け口内面にパイプの管端が当たって止まる位置
継手にパイプを接合するときは、標線まで挿入する。線まで入っていれば奥まで入っていることになる。
目視だと、後から継手の奥まで入っているか確認できないので、標線を記入しておくと安心できます。
手順4.接合
- パイプや継手を清掃を行います。乾いたウエスなどで、泥や汚れを拭き取る。
- 接着剤を継手の受け口、パイプの挿し口の順に円周方向に薄く均等に塗布する。
- 接着剤を塗ったら、すぐに真っ直ぐ標線まで一気に挿し込み保持する。(30秒以上保持する、呼び径50以上は60秒以上)
- 保持したあとは、はみ出した接着剤を拭き取り無理な力がかからないようにする
- 標線を確認して抜けていないことを確認
叩き込みはパイプを破損する恐れがある
雨水マスに穴をあける
接合した排水用のパイプを倉庫下に通してから、パイプ上に水平器を置き、傾斜を確認します。
高い部分を削ったり、低い部分に土を戻しながら傾斜を調整しました。
水平器で1〜2目盛程度の傾斜にしました。
排水パイプはOKということで、まずは既存の雨水マスに穴を開けます。
傾斜を出したパイプをあてがい、マジックで穴あけ位置に印をしました。
その後、マジックに合わせてホルソーで穴を開けました。
穴を開けたらヤスリでバリを削り落とします。
穴にパッキンを取り付け、パイプを挿入。
・・・入らない。
購入したホルソーセットの、最大穴あけサイズであるφ63mmで穴をあけたのに。
何故だ〜。
調べてみると、購入したVU-50でパッキン取り付けに必要な穴径はφ65mmです。
仕方がないので、ヤスリなどで削りました。
差し目で65mmになったので、面を取り、パッキンを取り付け再度挿入しました。
しかし、入りそうで入らない。
ゴムのパッキンと塩ビパイプの摩擦抵抗で、引っかかる感じで入りません。
何か良い手はないかと、近くにあった水をパッキンにかけてみました。
するとビックリ!!ツルッとパイプがパッキンの穴を通ったのです。
擦れ合うパッキンとパイプの間に水が入り、潤滑の役目をしてくれたのです。
既存側の穴あけが完了したら、パイプを奥まで押し込みます。
新設する雨水マスを設置位置にセットして、パイプを使って穴あけ位置にマジックで印を付けます。
穴から取り出し、穴あけ。ヤスリで穴径を65mmに調整。
面取りをしてパッキンを取り付け、設置します。
水を付けてパイプを挿入すれば、穴あけとパイプの連結が完了です。
VUパイプ用 ホールソー適合サイズ
品番 | サイズ(mm) |
VU-40 | φ53 |
VU-50 | φ65 |
VU-65 | φ80 |
VU-75 | φ95 |
VU-100 | φ120 |
排水パイプと雨水マスを埋める
最後に、排水パイプと雨水マスを埋めていきます。
排水パイプは、「土をかける→水をかける」を繰り返し埋めていきました。
水をかける事により、水が土をパイプと地面の隙間へ流し込んでくれます。
これにより、隙間なく埋め戻しができます。
倉庫の下は大雑把になりましたが、少しずつ繰り返したのでしっかり埋まったと思います。
雨水マスは、水平器で平行を見ながら土を戻していきます。
「少し土を戻す→水を掛ける→スコップで慣らす」
水平を見ながら、上記作業を繰り返して少しずつ埋めていきました。
最後に雨水マスの周りの土を少し傾斜にして、雨水マスに水が流れるように整地しました。
完成です。
水をためて、流れることを確認しました。
大雨が降らないと実際の効果はわかりませんが、梅雨時期も池のようにならないはずです。
DIYで水はけを改善のため雨水マスの設置する|まとめ
初めての作業で色々トラブルがありましたが、雨水マスの設置が完了しました。
効果はすぐにわかりませんが、期待に答えてくれるはずです。
結果的に、業者に頼めば5万円かかるところが、約1万5千円ですみました。
工事に必要な道具を持っていれば、もっと安く工事できます。
外構見積もり時の、「倉庫の移設・倉庫の基礎をコンクリーにする」も廃止した為、12万円(見積額)が節約できました。
初めての雨水マス設置を体験して感じたのは「やればできる」です。
色々悩みましたが、調べながら完成することができました。
この記事は、雨水マスの設置で悩んだ部分も含めた記事にしています。
雨水マスを設置する際の参考になればと思います。
快適な空間を自分で作りませんか。Let’s try。