入居から毎年感じる悩みです。
技術の進歩で最近の家は、冬はあたたかい。夏は涼しいと思っていました。
甘い考えでした。
展示場のモデルハウスは、暖房が高い温度に設定してあったりするんですよね。
この家、広いのに暖かいですね!?
分かりますか。この家は、断熱性・気密性の高い構造なんです。
広い空間ですが、エアコンは一台しか使っていません。
凄いな最近の家は。実家は寒かったのに。なんて騙されないでください。
モデルハウスはハウスメーカーのアピールの場です。
住宅の仕様はグレードの高いものを使っています。
エアコンは一台ですが、高温で使用している可能性もあります。
エアコンは何度に設定してますか?
と聞くのも大事です。その温度設定は現実的ですか?
まー今さら何を言っても始まりません。部屋が寒い。この悩みを解決してみます。
それがこちら。
簡易内窓です。
ポリカ中空ボードのおかげで、目隠し効果もあります。
部屋の寒さの「原因5割は窓」
暖房つけてるのに、なんか寒い。
こんな経験ありませんか?
私は冬になると毎年感じています。スースーする感じです。
リビングで暖房をつけているのに、厚着しないと寒さで震える。
この原因は家の断熱性能にあったのです。実は温めたはずの室内の熱は、逃げ続けているのです。
屋根・外壁・床・開口部・換気といたるところから逃げています。
なかでも下の図の様に、開口部から熱が逃げる割合が5割を超えています。
出典:一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会 省エネ建材で,快適な家,健康的な家
窓枠や窓の合わせ面にも、空気が通る隙間があります。完全に防ぐことはできません。
さらに熱が逃げるのに加えて、外気に冷やされた窓で温めた空気が冷やされているのです。
窓で冷やされた、冷たい空気は下へと流れて足元を冷やしてきます。
この事から、部屋の暖かさを保持するためには窓に対策するのが効果的と言う事がわかります。
窓の寒さを防ぐ対策(DIY編)種類
ホームセンターにあるものから、業者にお願いしないと難しいものまで色々あります。
今回はDIYと言うことで、自分の力で出来るものをピックアップします。
家の窓枠内寸(腰高窓)
縦905mm横1655mmで検証してみます。
①カーテンの隙間をなくす
- 材料は100均でそろいます。テープやマジックテープで壁とカーテンをひっつけて対策します。
- 費用300円程度
②プチプチをはる
- 柄のある無しで値段が少しかわります。好きなサイズに切って、水ではりつけれます。簡単に取り付けできます。
- 費用90cm×180cm 1500円~
③厚手・長めのカーテンに交換
- カーテンも物によってピンキリです。
- 費用3000円~
④カーテンライナーを取り付ける
- ビニール素材のカーテンを、今あるカーテンレールにとりつけます。丈が長めになっていて床に着くため冷気の侵入を防ぎます。
- 費用1000円程度
⑤パネルを立て壁をつくる
- 購入後立てるだけです。楽に設置できます。
- 費用1000円~
⑥内窓を取り付ける(簡易タイプ)
- レールをノコギリで切ったり、ポリカボードをカッターナイフで切ったりする作業あり。
- 費用・・・フレーム&レールキットが6000円程度、ポリカーボネート中空構造板1820×910×4 2280円(近所のホームセンター)
⑦窓下用ヒーターを接地する
- 購入費用高めです。コンセントが必要です。
- 費用12000円~
※参考までにですが、内窓のリフォームを業者に依頼すると
窓の種類 | 値段 |
掃き出し窓 | 100000円程度 |
腰高窓 | 80000円程度 |
小窓 | 60000円程度 |
窓の種類によりますと言われました。まとめて工事すると割引があるそうです。
寒さ対策で考慮すべき条件
上記の①~⑧で実際に行ったものがあるのではないでしょうか。
実は私、DIYを始める前に①~⑤は実際に使っていました。商品を買って、置くだけ・貼るだけで設置できるものを試していたのです。
そこで、使ってみた私の勝手な思い(現実)を書かせてもらいます。
①カーテンの隙間をなくす
- こまめに隙間をなくす行動は、毎日続くと面倒になります
- 温度変化は感じられません。
②プチプチを貼る
- 昼間に換気しようと窓を開けると引っかかります。
- 温度変化は感じられません。
- 結露には効果があるかもしれません。
③厚手・長めのカーテンに交換
- 腰高窓に掃き出し窓用のカーテンを使用してます。
- 温度変化は感じません。
④カーテンライナーを取り付ける
- カーテンライナーは腰高窓を完全にしきれないため意味がありません。
- 温度変化は感じません。
⑤パネルを立て壁をつくる
- パネルは、固定していない為カーテンを動かすと落下。
- セッティングが難しい。
- マジックテープなどで固定した方が良い。
- 温度変化は感じません。
①~⑤を使った結果、毎日使うのには向いていない。そして、感じるほどの断熱効果がありませんでした。(温度は測ってません。)
⑦は高額になる為、考えていません。
そんな過去の経験から、
- 窓やサッシの隙間から入る冷気を遮断出来る
- 温めた空気が冷えた窓にあたらない
- カーテンや窓の開閉が簡単にできる
というポイントをおさえた対策が長期的に継続して使えると考えます。
寒さ対策に簡易内窓|その効果とは
寒さ対策
今回は条件を満たすことが出来る、簡易内窓を取り付けました。
腰高窓一つで費用は8000〜9000円です。(工具は別です)
少し高い感じがしますが、試す価値ありと判断しました。
制作に使用する工具も少なく、作業もレールやボードを切断する程度です。制作の難易度は低いと思います。
簡易内窓の効果
温度計で計測しました。(時計と一緒になってるタイプ)
この冬一番冷えた日だと思います。
この日の外の気温は-4℃
部屋の中は9.3℃
窓と内窓の間(内窓を閉めた状態で30分後)3.3℃
温度変化に時間がかかるので、もう少し下がるかもしれません。
窓のサッシに薄い氷ができてました。
※内窓無しの状態の室温は測ってません。
言えることは、
- 内窓無しの状態だと確実に部屋の温度は下がります。
- 内窓による、効果は抜群です。部屋に入ったときの空気の冷たさが違います。
- カーテンの隙間から入ってくる冷たい空気の流れを感じなくなりました。
ポリカボードにより、カーテンを開けていても外から室内が見えないのも良いところです。
気温がマイナスになると、窓の結露が酷くなります。そして、内窓の部屋側にも結露ができます。見えにくいですが、広い範囲に結露ができました。
結露防止シートと組み合わせると、利便性の向上が期待できます。
簡易内窓DIYでの失敗と作り方
失敗から学ぶ
先に私の失敗をお見せします。作る時の参考にしてください。
1.レールの取り付け位置&両面テープ選びに失敗
私はレールを、窓枠の部屋側ギリギリのところに取り付けました。カーテンと内窓が常にあたっている状態です。
すると、結露した日に、カーテンが内窓の結露を拭き取る形になったのです。雑巾で結露を拭き取るように。
この結果、カーテンにカビが発生しました。
内窓とカーテンの間には、隙間が必要です。
悲劇が起きたのは、この事に気づいてからレールの位置を変えようとした時です。
両面テープが剥がれない。私が、力まかせにレールを取ったのと同時でした。
窓枠の木目の部分が浮き上がりました。・・・何箇所も。こんな悲劇を起こさないためには両面テープの選び方に注意が必要です。
レールキットのメーカーが推奨する両面テープは
二トムズはがせる両面テープ強力接着用 T3830(15mm幅)T3832(20mm幅)です。
私は今回使っていませんが、はがしやすい両面テープの方がメンテナンスしやすいと考えます。
2.ポリカボードのカットに注意
ポリカボード(1820×910)を切ろうと思った時「デカすぎる」って事で、机での作業を諦めて床面で作業しました。
工作板をポリカボードの裏に敷き、カッターで切っていた時です。
まーなんという事でしょう〜。フローリングを切ってます。残念。
どんどん切るうちに、工作板のないところまで切っていました。
子供達、ごめんなさい。そう、ここは将来は子供部屋です。ホントすまない。
しっかり工作板の位置を確認して、焦らず作業を進めましょう。
簡易内窓の作り方
レールのキットを買うと中に取説が入っています。各部の計算シートも付いています。
①内窓の設置ができるか確認
窓の鍵の部分が動く範囲を確認しましょう。
鍵の可動域に内窓を設置してしまうと、鍵の開閉ができなくなってしまいます。
手で持つ部分が長い鍵は注意が必要です。
鍵の最大飛び出しから32mm以上必要です。
レールの設置ができなくなります。
②窓枠の寸法を測る
窓の長さを測ります。縦・横を両端・真ん中の3箇所測りメモしておきましょう。
メジャーで測る時は、2人で測定する方が測りやすいです。
③材料と道具の準備
- 窓に合わせた「光 フレーム&レールキット」(ボード別売りタイプ)
- ポリカ中空ボード
- 作業手袋
- メジャー
- 鉛筆
- 両面テープ(剥がせるタイプが良さそうです)
- ノコギリ(プラスチック用)
- カッターナイフ
- 定規(カット用)
- セロハンテープ
作業場によりますが、工作板があった方がいいです。ハンマーもフレームが入りにくい時は必要です。
私はレールを切る時、目印にマスキングテープを使いました。
④寸法を決め、レール・フレームを切断する
寸法は取説の計算式で計算できます。
頭の中で計算するのではなく、紙に書くことをオススメします。
自分の勘違いや計算ミスから、レールやフレームを短くカットしてしまう恐れがあります。
切断面は粗いので、カッターナイフかペーパーヤスリで滑らかにすることをお勧めします。
私は、内側のバリをカッターナイフでとりました。
外側のバリをペーパーヤスリで取りました。
⑤ポリカボードを切る
ボードは硬いので切るのに力が必要です。定規を持つ指を切らないように注意しましょう。
大きなポリカボードが机に載らない場合は、床の上で工作板を利用すると切り安いです。
厚めの定規の方が、カッターのガイドとして使えます。
ポリカボードの端は、バリやエッジで手を切りやすいです。
作業手袋を着用して作業すると怪我の心配がありません。
⑥ポリカボードの4辺にセロハンテープを貼る
セロハンテープの効果
- ポリカボードは中が空洞になっているので、ゴミの侵入を防ぐ。
- カットした面の引っ掛かり・めくれを包み込み、フレームを入れやすくなる。
- ポリカボードのエッジ・切断面の凹凸を包み込み怪我予防になる。
テープがない場合は、ポリカボードの中にゴミが入り取れなくなってしまいます。
組み付け作業中の怪我予防にもなるので、テープでコーティングしましょう。
⑦サッシフレームをポリカボードに取り付ける
フレームをポリカボードに取り付けます。
ポリカボードの曲がりや凹凸で、フレームが取り付けにくいことがあります。
端の方から少しずつ差し込んでいきましょう。
硬くて奥まで入らない時は、ハンマーなど軽く叩くと入ります。
⑧窓枠にレールを取り付ける
レールを取り付ける前に、取り付け位置に目印をつけておくと失敗しません。
位置がズレたまま、両面テープがくっつくのを防げます。
位置が決まれば、手のひらや指でしっかり押さえましょう。
両面テープが密着します。
⑨完成したパネルをレールにはめる
二枚のパネルをレールにはめれば完成です。
掃き出し窓も作りました。
寝室は内窓完成です。
簡易内窓を設置してみた結果
内窓を取り付けると、部屋の冷え方が違います。
部屋が冷えにくいということは、暖房の温度を高く設定しなくても部屋が温まります。
電気代の節約にもなるし、室内で厚着をする必要もなくなります。
言うことなしです。
寒さを感じたら、簡易内窓をとりあえず、つくっちゃお。
『簡易内窓=寒さ対策&節約』です。
毎年、必ず冬が来ます。寒い寒い、冬が来ます。
早めに対策すれば、長期で電気代を節約できるという事です。
簡易内窓は、ある意味で「将来への投資」です。
お金を稼ぐのではなく、使うお金を最大限に節約する。我慢やストレスを感じる事なく。
DIYが投資になるってステキだと思いませんか。
稼ぐのはヘタでも、作るのは好きなんです。
将来への投資にDIYはいかがでしょう。