太陽光発電って実際どうなんですか?
10年でプラスになるんですか?ハウスメーカーにめっちゃ進められたんですよ。
毎月の支払いってどんな感じです?安くなるんですか?
こんな悩みに対する、「実際のところ」と「そこから見える得する買い方」を紹介します。
我が家は2013年の6月から発電を開始して、2021年5月時点で収支はプラスになっています。8年で導入コストを回収できました。
住宅に太陽光発電を取り付けるという事は、とても大きな買い物であり、大きな出費になります。
私も家を建てる時に、散々悩みました。
「オール電化だし、自分の家で発電できたら毎月の支払い減るかな〜」なんて考えながら、お店を回りました。
購入した当時は、国の支援もあり太陽光発電の普及活動が盛んな時期。
数件の店で話を聞きつつ、勉強しながら、好条件で購入できるお店を探していました。
良い条件に出会えるまでが大変でしたが、満足のいく条件が揃った為、購入に至りました。
太陽光発電の8年間の変化
太陽光発電導入にかかるコスト
実際の発電データから見るお金の動き
これまでに実施してきたコストを下げる方法
太陽光発電の導入は、何よりも、しっかりとシミュレーションすることが大切です。
業者に言われるがまま契約しないように注意しましょう。
太陽光パネルの期待寿命は長く20~30年ですが、パワコンの一般的な寿命は10~15年です。実際には9年目に全部交換になりました。
この辺も、シミュレーションに入れときましょう。こちら↓↓↓も参考にしてみてください。
太陽光発電の時代による変化
固定価格買取制度の変化
現在と私が購入した2012年(平成24年)とで大きく違うのは、FIT(固定価格買取制度)です。
固定価格買取制度とは
再生可能エネルギー(太陽、風、水、地熱、バイオマス)で発電した電気を、電力会社が一定の期間を一定の価格で買い取る制度です。
導入コストの高い再生可能エネルギーの普及を支えています。
このFIT(買取価格)が、この8年で大きく下がっています。
「住宅用」10kw未満の電力買取単価 (円)
年 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
価格 | 42 | 38 | 37 | 33 (35) | 31 (33) | 28 (30) | 26 (28) | 24 (26) | 21 |
※()内は出力制御あり・・・発電量が電力需要を大きく上回った時に、電力会社が太陽光発電設備の発電を制御する制度。お住いの地域で変わります。
上記表のように、私が購入した時期の2012年の42円から考えると、買取単価は半分にまで下がっています。2021年は電力買取単価19円です。
年々少しずつ下がってきているのが現状です。今後もこの傾向は変わらないでしょう。
ちなみに、我が家のFIT(固定価格買取制度)が終了した後の、電力会社による買取価格ですが・・・
先日、シャープが開催した「太陽光発電のFIT終了後について」の話の中で、7.15円〜10円/kwhだと分かりました。
現在の売電金額の1/6〜1/4程度になります。
蓄電池の契約をすれば、買取単価14円/kwhという蓄電池プレミアムプランもあるようです。
補助金の変化
現在、太陽光発電を自宅に設置しても、国からの補助金はありません。
これは年々、生産・販売コストが低下していること、太陽光発電の普及が進んだことなどがあげられます。
各自治体の太陽光発電の補助金は、お住いの地域によって差があるので、しっかり調べるようにしましょう。
私の場合は、国からの補助が「1kw当たり35000円」ありました。
自治体の補助は締め切られていた為、利用できませんでした。
補助のある・なしで損した気分になるかもしれませんが、数年前より商品の機能がアップしたうえで価格も安くなっているので、一概にどちらが得とは言えません。
太陽光発電の実体験から見える『お金の話』
我が家の太陽光発電が、なぜ8年間で元を取れたのかを見ていきましょう。
太陽光発電は南向きの屋根に4.68kw設置しています。
購入決めてから現在に至るまでの行動で、元を取るためポイントを教えます。
太陽光発電システムの種類と値段
まずは、取り付けている太陽光発電システムの種類と値段です。
購入した家電量販店とメーカー定価の比較(定格発電量4.68kw)
名称 | 型番 | 数量 | メーカー定価 | 見積金額 |
シャープ 太陽光モジュール | NQ195AA | 24 | 2,635,920 | 1,315,200 |
シャープ パワーコンディショナ | JH45CD3P | 1 | 276,150 | 186,000 |
アレイケーブル×3 | SZ2S40P | 1 | 26,145 | 20,250 |
モニターケーブル | JHYM301 | 1 | 4,830 | 3,980 |
センサーケーブル | JHYS201 | 1 | 3,360 | 2,780 |
架台 | 8HFY38 | 1 | 155,000 | |
合計 | ー | ー | 2,946,405 | 1,683,210 |
メーカーの定価よりも、家電量販店の方が明らかに店頭価格が安いです。
また、ハウスメーカーにより変わると思いますが、私がマイホームの設計段階でハウスメーカーに見積もってもらった金額は270万円程度でした。
ハウスメーカーは太陽光発電システムの購入にあたり、割引がない印象です。
うちでつけると高いですよ。
他店で買って取り付けされても問題ありませんよ。
と、地元が一緒で顔見知りの営業マンだったこともあり、他店で購入するよう促がされました。
会話の中から『節約方法を教えてくれた』営業マン
太陽光発電の購入には、部品代以外に工事費用やオプション費用が加わります。
営業マンが会話の中で、全く気がつかなかった節約方法を提案してくれました。
家の建築中なら足場を使ってもらっていいですよ。
パネルの設置に必ず必要になりますから。
ただし、業者が決まったら連絡してください。
そうなんです。ソーラーパネルを取り付けるには、家の屋根に登ります。
屋根に登って作業するには、足場を設置する必要があります。
この足場代を節約する方法が、「家の建築中に太陽光発電の工事を施工してもらう」です。
太陽光発電の工事費用
名称 | 摘要 | 数量 | 見積単価 | 見積金額 |
パネル工事費 | H支持金具法 | 1 | 275,800 | 275,800 |
電力会社へ申請手続き | 1 | 26,250 | 26,250 | |
電気配線連系工事 | 1 | 189,000 | 189,000 | |
安全対策 | 足場など | 105,000 | 0 | |
合計 | 491,050 |
家を新築中の場合は、ハウスメーカーの足場を使わせてもらうことで太陽光発電の工事費用の足場代が0円になります。
10万円違えば、数ヶ月分の売電料を節約できたことになります。かなり大きな節約です。
ただし、注意が必要です。
事前にハウスメーカーに相談し、許可が必要です。
許可が出れば太陽光発電の工事を段取りしましょう。
工事が決まれば、ハウスメーカーと太陽光発電の施工業者で打ち合わせをしておかなければなりません。
- 外観美観のための先行配管作業
- 分電盤は、太陽光に対応した分電盤を用意
など、必要な設備が変わったり、太陽光発電の施工前に作業する段取りが出てくるからです。工事中に揉めないように事前の打ち合わせはしっかり行いましょう。
私の場合は営業の方に相談し、施工業者の連絡先を伝えました。あとは、お任せしました。
ハウスメーカーと提携のある業者だと、話がスムーズに進みます。
オプションで保証期間を伸ばす
太陽光発電には、本体工事以外にもオプションがあります。
その中で、気にしておきたいのが保証期間です。
私の場合、保証は購入時にメーカー10年保証が無償で付与されました。(購入するものによって差があります)
購入時のオプションの中に「保証期間を延長できる」ものがありました。
なんと、20,370円で5年間保証が伸びるのです。
太陽光発電は未知の買い物だった為、15年保証に延長するオプションを購入しました。
オプション
名称 | 摘要 | 数量 | 見積金額 |
シャープ 電力センサー | T1CT4 | 1 | 22,500 |
シャープ まるごと15年保証 | SZWNS04 | 1 | 20,370 |
シャープ 電力モニター | JHRWL3 | 1 | 65,500 |
合計 | 108,370 |
太陽光発電はどれくらいもつのかは、未知数です。
購入後の3年程度経った時に、「快晴の天気なのに発電しない」と言う問題が起こりました。
よくわからないまま様子を見ていたのですが、ずっと同じように少ない発電量。
壊れたと思い、メーカーを呼ぶことにしました。
結果として、パワーコンディショナーの基盤の調子が悪かったみたいです。
この時は、保証期間内という事もあり無料で修理できました。
さらに、メーカーに不調だった期間分の自己消費額・売電金額を請求しました。
モニターがあれば、日々の記録を取って残しているため、データから不調な期間を確認できます。
発電量は平均値から予測し、「不調な期間に自己消費&売電していたら受け取れるはずだった金額」を保証してもらいました。
太陽光発電の故障時は、部品代や修理代だけでなく、故障により生じた損害金も交渉しましょう。
見積が出たら『もう一度、交渉へ行こう』
太陽光発電システム・設置工事費・付属品という項目を全部合わせたのが、太陽光発電の導入コストになります。
名称 | 金額 |
太陽光発電システム | 1,683,210 |
設置工事費用 | 491,050 |
付属品 | 108,370 |
合計 | 2,282,630 |
当初見積もりは、230万円弱でした。
節約して見たものの、やはり高いです。
という事で、さらなる交渉へ向かった時のことでした。
この悩んでいるときに、キャンペーンが始まったのです。
購入しようと考えていた当時、太陽光パネルの設置は、国がゴリゴリに普及を促進していた時期。
その波がキャンペーンとなり、さらなるコストダウンに繋がりました。
キャンペーンの波に乗った&お店に知り合いがいた為、「安くしてー」とゴリゴリにお願いした結果。
なんと、ここからー432,630円という割引を実現しました。
さらに補助金申請後、国からの補助金(35,000円/1kw当たり)がもらえるので、4.68kw=163,800円の太陽光発電導入支援補助金が後日振り込まれました。
名称 | 金額 |
太陽光発電システム小計 | 2,282,630 |
キャンペーン割引&値引き交渉 | -432,630 |
国からの補助金(後日入金された) | -163,800 |
合計 | 1,686,200 |
という事で、合計は約168万円で当時ではかなり安く購入できたと思います。
結果的に、導入コストを下げることが、将来の利益に繋がります。
できる事なら、何社かで見積もりを取ってみましょう。
競わせ交渉する事で、多少なり割引してもらえます。
モニターのデータから見える『お金の動き』
実際の電力モニターのデータを公開します。
太陽光発電の購入など、今後の参考になればと思います。
買取価格は42円/1kwhです。
発電量からの換算料金を見る
まずは発電開始日です。
2013年6月7日が発電開始日です。
発電開始から約8年になります。
次に、発電から約8年間の実績の合計です。
自家消費と売電を合わせると、導入コスト(168万円)を上回りました。
発電開始時からの電気料金(めやす)
自家消費量 | 248,949円 |
売電量 | 1,492,077円 |
合計 | 1,741,026円 |
月々の電気料金がどうなのか気になりますよね。
2020年1月からの1ヶ月毎の電気料金換算データ
自家消費量換算 | 売電量換算 | 買電量換算 | |
1月 | 2,759 | 10,360 | 13,619 |
2月 | 2,140 | 14,842 | 11,534 |
3月 | 4,121 | 17,305 | 9,298 |
4月 | 3,383 | 20,784 | 7,960 |
5月 | 2,960 | 18,664 | 5,756 |
6月 | 2,482 | 14,992 | 5,435 |
7月 | 2,551 | 10,079 | 6,034 |
8月 | 4,409 | 19,279 | 6,660 |
9月 | 2,803 | 14,861 | 5,906 |
10月 | 2,308 | 17,907 | 6,368 |
11月 | 2,305 | 15,456 | 8,284 |
12月 | 4,363 | 10,578 | 14,935 |
データからわかるのは、発電量は夏場が多いと思いがちですが、4〜5月が一番よく発電します。
去年の実績だと、4月が一番の発電量でした。
8月は暑すぎる日差しの為、ソーラーパネルの表面温度が上がりすぎ出力の低下となるみたいです。
冬は暖房の利用が増えるため、どうしても買電量が増えてしまいます。
そして、年間を通して天候に左右されるのも事実。
6〜7月の梅雨の時期や12〜1月の雪の時期は、発電量が下がります。
自然の力を利用している発電なので、発電量を改善させることはできません。
一年毎の電気料金換算データー(7年分)
自家消費量換算 | 売電量換算 | 買電量換算 | |
2014 | 22,218 | 201,926 | 84,050 |
2015 | 21,242 | 196,916 | 82,657 |
2016 | 34,472 | 169,597 | 85,513 |
2017 | 42,367 | 181,195 | 99,837 |
2018 | 31,434 | 190,753 | 93,518 |
2019 | 29,822 | 188,899 | 102,905 |
2020 | 36,584 | 185,107 | 101,789 |
2016年の売電量換算が少ないのは不具合がおこったからです。
年間の売電は18万〜20万円です。
このお金が口座に振り込まれるので、かなり生活の足しになります。
買電部分はお金を払わないといけませんが、売電額の方が多い為、毎年プラスです。
自家消費電力は数字でしか分かりませんが、年間3万円程度の消費を助け、月々の買電量を減らしてくれています。
追記
2013年の6月から太陽光発電をはじめ約9年。固定価格買取制度も残すとこ約1年となりました。
現状を報告しておきます。
残すところ13か月での実績
- 自家消費量 282,657円
- 売電量 1,675,152円
合計1,957,809円となりました。
購入額が1,686,200円なのでこの時点で271,609円のプラスです。
太陽光発電が環境貢献
太陽光発電により環境問題にも貢献しています。
地球温暖化の原因でもある「温室効果ガス」
その中の、二酸化炭素を大気中に大量放出しているのが化石燃料の使用です。
太陽光の力で発電する「再生可能エネルギー」を利用することで、発電時に出る二酸化炭素を削減できるのです。
買っている電気がある為、完全な環境貢献とは言えません。
しかし、微力とはいえ環境貢献に繋がっています。
太陽光発電導入にあたり【コストを下げる方法】まとめ
購入前に知識を身につけろ
太陽光発電の購入を考えたときは、まず太陽光発電について勉強しましょう。
実際に取り付けた場合の効果を、シミュレーションや見積もりをしてもらうことが大切です。
見積もりを取りながら太陽光発電の知識が身につくのも事実。
訪問販売やハウスメーカーの「太陽光発電を取り付けるとお得ですよ」という話に、納得できずに断るか、押しに負けて購入してしまうか、結果に大きな違いが出ます。
無知というのは、大きな損をする可能性があるのです。
「販売価格が適正か。安いのか。高いのか。」という問題も、実際に何店舗かで見積もりを取らないとわからないのが現状です。
ある程度の情報を持っていないと、営業マンの上手いセールストークに飲み込まれてしまいます。
話をするうちに、メリットしかないように聞こえるのです。
モニターになっていただける方、限定の特別価格です。
7軒の枠に対して、すでに4軒は決まってしまったので・・・
などと言われたら、焦りから考える間も無く、購入へ進んでしまいます。
しかし、ある程度の知識があれば、踏みとどまり、正しい判断ができるのです。
※無料で最大5社の見積もりで、価格交渉の近道
最近は簡単に見積もりできるサイトも増えており、自分で交渉せず最安値を出すには「グリエネ」を使ったほうが早いかもしれません。住んでいる地域の、グリエネの審査基準をクリアした優良企業から見積もりできます。専門アドバイザーが常駐しているので電話で相談でき、知識も身につきます。
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購入前にしっかり交渉せよ
太陽光発電を購入するタイミングが、新居購入時であれば、まずはハウスメーカーに相談してみましょう。
- 他店での購入・施工は可能か
- 足場を使わせてもらえるか
より安くする方法が見つかるはずです。
固定買取価格が低下している今、安心できるものを、いかに安く購入するかがポイントになります。
節約できるコストは、キッチリ減らしましょう。
シミュレーションを行い、損する場合は断りましょう。
以上が、私の経験したことから皆さんにアドバイスできるポイントです。
良かったら、参考にして見てください。
同じような状況なら、実践して見てください。
少しでも役に立てたらと思います。【完】