皆さん、「人の使っているものが良く見える。」こんな経験したことありませんか?
「隣の芝は青く見える」と言う、ことわざもありますよね。
何を突然ってなりますね。すいません。
娘が突然、こんな事を言い出したんです。
もう、この自転車乗らん。
〇〇ちゃんみたいに、かわいい自転車がいい。
その時、えっ。何っ?どうした。ってなりました。
実は娘が乗っていた自転車は、お兄ちゃんから譲り受けたもの。
なんとか使ってもらおうと、キラキラシールを貼って「ほら。めっちゃかわいいよ。特別な自転車よ。」なんて騙して乗ってもらっていました。
本当は我慢して乗ってたのでしょう。バリバリの男物です。
それが、よく遊んでいる近所の友達が、新しい自転車に乗って登場してから気持ちに変化が現れたのです。
オレンジ色のかわいい自転車。あんな自転車が欲しいと・・・。
ついに我慢にも限界がきたようです。
今まで、ありがとう。よく我慢してくれた。
「かわいい自転車が欲しい」その願い叶えます。
ただし、お金はかけません。
そんなこんなで、娘を納得させたのがコチラ。
娘が選んだ色です。塗装するまでは、「この色で大丈夫かな」と心配していました。
塗って驚き。可愛いじゃない。お気に入りの自転車に、変身です。
自転車の最適な塗り方とは
自転車に色を塗ろうと決めて、最初に悩む事です。どうやって塗ればいいか分からない。どんな塗り方があるの?塗料はどれも同じ?
まずは、塗り方や塗料の違いを見て行きましょう。
色塗りの工法
ハケ(刷毛)塗り
細い毛の束から出来ています。木材など表面がデコボコしている面に対応できる。
刷毛にはサイズや種類が多くあります。用途によって刷毛を選べば、複雑な部分にも塗装できます。
手軽に作業できますが、ムラや液ダレがおきやすい。塗っている時、毛が抜ける事があります。取ろうすると指の跡が残ったりすることも。上手に塗るには経験が必要です。
使用前に、できるだけ抜け毛を取っておきましょう。
私の経験上、金属に塗る場合が特に難しいです。刷毛塗りした跡(ムラ)を、残す感じに仕上げたい場合は適しています。
スプレー
希釈する必要がなく、買ってそのまま使えます。塗る為の道具がスプレー以外いりません。
刷毛のような跡がつかないので、綺麗に仕上がります。吹き付け出来れば、狭いところも色がぬれます。
広範囲に塗料を噴射するので、塗装不要な場所には、養生する必要があります。
小さなものや細いものを塗るときは、対象物以外への噴射が増えて塗料の無駄が多くなります。
塗装する周りの床や壁にも、養生が必要です。地面や壁に塗料が付着します。
塗料の違い
水性
水で薄めて使います。乾燥時には、水が蒸発するので匂いが優しいです。
刷毛や容器などの片付けも、水で洗えるので簡単です。手についても、水で洗ったらとれます。
毒性が少なく、室内で安心してつかえます。
乾燥時間が短いです。
- 夏は30分~1時間
- 冬場1時間~2時間
油性
うすめ液(有機溶剤)で薄めて使います。
乾燥時に溶剤の匂いがします。
有機溶剤は可燃物なので、火には注意が必要です。部屋の中で使用する場合は、窓を開けて換気しながら使用しましょう。
- メガネやマスク、手袋など保護具を使用して作業する必要あり。
- 耐久性・対候性があります。
- 乾燥には数時間かかります。
ラッカー
揮発性の高い溶剤ベースに作られています。
刺激臭があります。「シンナー臭い」と言うやつです。
外で作業していても、強い匂いがします。
夏場の作業は、窓を開ける家もあるので、近所への配慮が必要です。
- 金属との相性がいいです。
- 手についたら、水で洗い流せない。乾燥した塗料を、爪でカリカリすると落ちます。
- 乾燥が非常に早いです。
選び方
私のペンキの使い分けですが、ざっくり、室内は水性。屋外は油性。金属はラッカー。です。
塗料も進化していて、色々な塗料があります。用途や目的にあったものを探すしかないのが現状。
水性塗料でも、耐久性の強い塗料もあるのです。一概に、水性塗料が屋外に向かないとも言えません。
材質の違い。室内や屋外の違い。塗装後の見た目。自分の用途にあったものを、使い分けましょう。
自転車塗装に向いているのは
自転車の塗装は、ラッカースプレーに決めました。
理由は、日の光(紫外線)や雨にあたるので、耐久性・対候性のあるもの。
そして、作業が簡単で綺麗に仕上がるもの。時間もないので、速乾性のものを選択しました。
耐久性がある油性塗料で刷毛塗りする方法ですが、片付けや処分がめんどくさい。綺麗に仕上げる自信がないという事で選びませんでした。
ラッカースプレーは、匂いがあります。人の少ない平日の昼間に、作業できるように段取ります。
色を決定する
塗り方を決めたら、何色にするかです。
ここは、本人の好きな色を選ぶのが正解だと思います。
好みの色に、塗ってあげたい。
ホームセンターで、実物見ながら選んでもらいました。
自転車塗装前に準備する事
出来るだけ分解
※分解前の写真を撮っておくと、元に戻す時「この部品は、どこについていた?元にもどらない。」って事がなくなります。
さらに、メモをとっておくと完璧です。
自分で分解出来そうな物は、分解しましょう。カゴやサドルはすぐに分解できます。
フレームだけにすると、塗装しやすく綺麗に仕上がります。
ただし、分解と復元が大変です。
反対に分解を少なくして、養生を多くしたやり方。
この場合、部品や養生で影になる所が出てきて塗装が難しい(塗装できない)場所ができます。
仕上がりを、どこまでの完成度にするかで変わってきます。
また、自転車の知識でも変わります。自転車の構造がわからないと、分解後に上手く復元できないかもしれません。
自分にあった方法を、選びましょう。
私は、楽な道を選びました。分解少なく、養生多くです。その中で、最高を目指します。
シールを剥がす
※防犯登録など必要なシールは剥がないで下さい
最初から貼ってあった柄のシールを剥がします。かなり強力な粘着力です。
ヘラや定規でガリガリ削ります。
シールの糊が残るので、そのあと粗い紙ヤスリ(私は240番)で、糊を落とします。
もとの塗装が少し剥げても大丈夫です。
最後に、目の細かい紙ヤスリ(400番)で表面を整えます。
最後に中性洗剤とウエスを使うと、綺麗に拭き取れます。
シールが残っていると、塗装後にシールの厚み分の凸凹ができます。
シールを剥がすのと一緒に、「サビ落とし」も行いましょう。ペーパーヤスリで擦るとサビが落ちます。
綺麗に掃除
自転車全体を綺麗に掃除しましょう。
汚れやサビをウエスで拭き取りましょう。塗装する面に、油分が残らないよう綺麗に掃除しましょう。
ウエス=掃除ようの布
私は、いらなくなったTシャツやパンツ、靴下を使っています。
クリーナースプレーや洗剤を使うと、より綺麗になります。
今回、私はウエスでしっかり拭くだけにしました。とことん、楽な道を選ぶ。
養生する
塗装に使用する場所に養生しましょう。ダンボールや新聞紙など、身の回りにあるもので良いです。
風で飛びやすいので、テープで貼ったり、石など重しを置いとくと飛ばされません。
隙間なく養生しないと、隙間から塗料が壁や地面に付着します。
養生を片付けた後に、壁に塗料がついていると悲しい気持ちになります。
自転車のフレーム以外の部品(塗装不要の部分)にも、養生します。新聞紙を巻いたり、マスキングテープを巻いたりしましょう。
防犯登録などのシールも、マスキングテープを貼っておけば大丈夫です。
シール部の養生手順
- 大きめにマスキングテープを貼ります。
- カッターナイフでシールの形に合わせて切ります。
- 余分なマスキングテープを剥いで完成です。
マスキングテープの形がそのまま残るので、手を抜かずに形を整えましょう。
自転車をラッカースプレーで塗装する
注意点
- 屋外か風通しの良いところで作業する
- 火気厳禁です。タバコ吸いながらなんてもってのほかです。引火します。
- 風邪が強い日はやめましょう。養生が剥げたり、飛んでいったり、噴射した塗料が風で流されます。
塗り方
- スプレー缶をしっかり振ります(缶の中で塗料と溶剤が分離しています)
- 新聞などで、どんな感じで噴射するか確かめる
- 対象物から15~30cm離して塗料を吹き付ける。距離は一定にたもつとムラが減ります。
- 一定のスピードで、フレームに沿って動かしながら吹き付けます。
- 一度で仕上げない。厚塗りせずに、2~3回で仕上げるイメージで塗りましょう。
- 塗るのが難しかったところは、一度乾かし、養生をやり直したりして塗装しましょう。
- どうしても塗らないと気になる場所が出てきた場合は、刷毛やペンを使用するか、分解しましょう。
私は分解も養生も手抜きをした為、逆に時間がかかった気がします。
養生→半分塗装(2度塗る)→乾くのを待つ→自転車の向きを180度変える→再度養生をする→反対側を塗装する(2度塗り)→乾くのを待つ→気になるところを塗りなおす
養生が足りない所は、片手に新聞をもちスプレーが当たらないように簡易的に養生する。それから、スプレーするといった感じで作業を進めました。
ハッキリ言って、塗装が難しかったです。段取り作業の手を抜いた代償です。
塗装間隔
天候や気温などで変わります。
今回使用したものはこちら。
- 重ね塗りの時は1時間以上
- 冬場は乾きにくいので2時間以上
と書いてあります。使用するスプレー缶で確認しましょう。
今回使用したスプレーの容量は420mlですが、半分ぐらい残っています。(持った感じ)
養生をとる
塗装後にしっかり乾かしたら、養生を取りましょう。早すぎると、塗装面に指の跡がついたりします。
シール部も、綺麗に仕上がってます。
自転車を復元する
分解した部品を組み付けましょう。
部品を全部取り付けたら完成です。
手抜きした代償が多少ありますが、満足いく仕上がりです。
自転車塗装の失敗から学ぶ
簡単な分解しかしなかった為、塗りきれない場所ができました。養生が甘く、ボディー以外にも塗料がつきました。
ぱっと見は、綺麗な塗装ができてます。ボディーが綺麗に塗装できていれば遠目から見る分には、「新しい自転車買ったの」と思います。
しかし、じっくり見られるとボロがでます。
仕上がり具合を、どこまで目指すかですが、
本気で仕上げたい方は、フレームだけにするぐらい分解が必要です。
塗り残しがあった場合は、再度養生をして塗装しましょう。
「少々は大丈夫だろ」とスプレーすると、塗らないでよい所に塗料がつきます。壁なども、注意しないと塗料が付着します。
面倒ですが、養生が大切です。
最終的な結論は、
娘が楽しく乗ってくれたら、それでよし!
ちょっとミスもあったけど。一生懸命頑張った。
父ちゃんが塗装にかけた時間、priceless。笑顔に勝るものなし。