玄関で靴を履くときの事を、思い出してください。
ちょっと遠くに靴がある時、靴を寄せるのって難しくないですか?
ジャンプして、靴の上に着地してから、靴を履いた事ありませんか?
と玄関から助けを求める声。
玄関へ行ってみると、雨で濡れた土間。靴を取ろうと、手を伸ばす娘。
長靴を、寄せようと頑張っていました。
足は濡らしたくない。しかし、靴に手が届かない。こんな経験、大人でもありますよね。
この段差はなんなのだ?必要か?
って事でつくりました。
玄関の踏み台です。
家族皆んな、靴が履きやすくなりました。
今回も、お安くできました。
材料 | 値段(円) | 数量 | 合計(円) |
1×4×1830 | 303 | 3 | 909 |
30×50×910 | 293 | 1 | 293 |
玄関の段差について
日本の玄関には、階段の一段よりも高い段差があります。
高すぎるが故の不便さを、昔から感じていました。
長靴を履いたり、靴紐を結ぶ時は、段差に腰をかけると楽です。
しかし、そんな時は少しだけ。不便に感じる方が多い気がします。
段差は何故あるのか?
玄関の段差には、日本の高温多湿という気候が関係しています。高床式にすることで、湿気が抜けやすい家の造りになるのです。
昔から日本では湿気対策の為に、地面と居住スペースを離す必要があったのです。
また、日本では靴を脱ぐ習慣があり「外」「内」を明確に分ける観念があります。
日本人は、床の上に直接座ったり、布団を敷いて寝たりします。
靴を脱ぐことで、家の中に水や泥を上げず、清潔さを保っていたのです。
参考:國學院大學メディア|なぜ日本には玄関が有り、敷居があるのですか?
玄関の現状
我が家の現状
- 玄関の段差 25 cm
- 階段の段差 20 cm
このように、玄関の土間と上り框(あがりかまち)の段差は、階段の段差より高くなっています。
小さな子供が家に上がるとき、手を床についてあがります。階段のように一歩で上がれません。
靴がフロア側にないと、靴を履くとき寄せることが難しい。履くのも難しいのです。
私は靴が届かない場所にある時、靴にジャンプして飛び乗り、靴の上に立った後に靴を履いていました。
玄関の段差 メリット・デメリット
昔の玄関の造りよりは、幾分か段差を低くしていますが、なくならないのは何故でしょう。
玄関の段差による、メリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
- 靴を履く時、腰を掛けれる。紐を結べる。
- 買い物からの帰宅時、荷物を置くのが楽
- 掃除の時、掃きやすい。段差があると、室内に砂が入らない
- ブーツや長靴は、段差が高い方が履きやすい
上記以外にも、昔は来客があったときに、玄関で腰をかけて話をしていたという事です。
今の時代、玄関で長時間にわたって会話をするという事もないので、たいしたメリットはないのかも知れません。
「湿気対策や、砂や泥が入りにくくする」という、構造的な要素が、段差をなくせない理由なのかも知れません。
デメリット
- 小さな子供が、一人で靴を履けない
- 靴を寄せる時、大人でも遠くて手が届かない
- 歳をとる(足腰が弱る)と段差がつらい
子供達や足腰が弱ったときを考えると、段差はない方が良さそうです。
玄関の段差はどうあるべきか(我が家の場合)
色々な使い勝手を考えた結果、段差は必要です。ただし、一段である必要がない。これが結論です。
靴を履いたり、荷物を置いたりするには、高い方が大人は楽です。
「履きたい靴を近くに寄せる。子供達が、一人で靴をはく。」少ないデメリットを、いかに無くすか。ここが大切だと考えました。
段差が高いと、低い踏み台が必要になります。
逆にバリアフリーのように段差がなくなると、靴を履くために腰掛が必要になります。
靴を玄関で履いたり、脱いだりする日本では、誰にとっても使いやすい状態を作りにくいのかもしれません。
玄関の踏み台、つくっちゃお
作り方
採寸
まずは、踏み台を置く場所の寸法を測ります。
高さを、どのくらいにするか。踏み台の幅をどうするか。
生活に合わせた寸法を考えます。今回は、段差の半分の高さにしました。
イメージを考える
簡単な設計図を書きましょう。
手書きで、簡単に。イメージを膨らませます。
材料の選定
希望の寸法に、切断回数を減らして作れるものを選びます。
仕上がりをイメージします。天板を一枚にするか、複数枚にするか。
制作コストも考えて、材料を選定します。
材料の一覧表を作っておくと、考えやすく便利です。
規格 | 寸法 縦×横幅(mm) | 規格 | 寸法 縦×横幅(mm) |
1×1 | 19×19 | 2×2 | 38×38 |
1×2 | 19×38 | 2×3 | 38×63 |
1×3 | 19×63 | 2×4 | 38×89 |
1×4 | 19×89 | 2×6 | 38×140 |
1×6 | 19×140 | 2×8 | 38×184 |
1×8 | 19×184 | 2×10 | 38×235 |
1×10 | 19×235 | 2×12 | 38×286 |
寸法記入
材料が決まったら、設計図に寸法を記入します。
木材の種類がわかるように書いておくと、無駄なく材料購入ができます。
材料購入
寸法が分かれば、材料をどれくらい購入するか検討しましょう。
記入した寸法と、お店で売っている木材のサイズ(長さ)を照らし合わせ、無駄なくカットする方法まで決めておきましょう。
材料は、必要最小限で購入しましょう。
木材カット
寸法通りに、木材をカットします。マイターボックスを使うと、簡単に真っ直ぐカットできます。
サイズ違いでも、手で押さえておけばカットできます。
天板に1×4材を、1300mmで3枚カット。
ホワイトウッド30×50材を、100mmで6個、130mmで3個カットしました。
カット後に、切断面をペーパーヤスリで研磨します。滑らか仕上げにしました。
塗装
今回は、ワトコオイルのドリフトウッドで塗装します。
いつも通り、ウエスにオイルを染み込ませ、塗り込みます。
仕上げは、ペーパーで軽く研磨して乾燥させます。
組立てる
まず、ステップの脚を組立てます。
- 下穴を開ける(家にあるネジが短かった為、ザグリ穴をあけました)
- 天板面を、平らな面に押さえつけてネジで固定する
- 同じものを3個組み立てます
脚が出来上がったら、天板を取り付けます。
天板固定のネジが、脚の結合部(黄色印)と重ならないように、下穴をあけます。
結合部でネジを締めると、結合部が開いたりして、ネジが締まりませんでした。
残りの脚を、天板に組み付けたら完成です。
組み付け終わったら、ガタつきがないか確認しましょう。
なんと今回は珍しく、ガタつきなし。失敗もなしで完成しました。
設置後にわかったのですが、偶然にも踏み台の下に靴を収納できました。
靴が履きやすく、家に上がりやすい。おまけに、靴の収納も増えちゃいました。
今後は、プラスαの使い方も、設計するときに取り入れよと思います。
また、一つ勉強になりました。
玄関の踏み台づくりを終えて
長い間、不便を感じていた玄関ですが、踏み台一つで全てが解消されました。
子供達は、踏み台から靴を簡単に履けるようになりました。
踏み台に降りれば、遠くに脱いだ靴にも手が届きます。
踏み台がある事で、玄関の段差が半分程度になり、上り下りの負担がありません。
長靴やブーツを履く時は、踏み台を使わなければ良いのです。
ちょうど良い玄関を造ることは難しいかも知れません。
ただ、不便さをなくすのは簡単です。
段差が高い玄関ならば、低い踏み台をつくります。バリアフリーのように低い玄関ならば、腰掛け用の台を作れば良いのです。
皆さんも、お家の玄関にぴったりの「踏み台」を作ってみてはいかがでしょうか。